Title/the Beautiful, the Ugly (美しさと醜さ)

Acrylic paint, pasteboard, wire / 3000mm(W)×3000mm(D)×2700mm(H)

 

◇会 期: 2009.11 – 2010.02

◇会 場: 在日フランス大使館 旧庁舎

 

本作品は会場や観客との予測不能な出会いや関係に触発されて制作した”No Man’s Land”のメタファーのようなものです。
大使館の取り壊しと新天地への移転に伴い催された本展覧会は、様々な作家が作品を提供してあらゆる観客を迎える祭典であるように、本作品も様々に変化する造形や空間であらゆる観客を迎え、体験や思いを分かち合いながら新しい始まりを予感させる場を提供致しました。
自然が太陽や大気や大地からのエネルギーによって繁殖するように、私も訪れる観客からの反応や思いを吸収して作品を育てました。
花や実などのオブジェたちは今回の出会いだけでなく、その場所に蓄積された様々な記憶をもあらわします。
人の出会いと別れは新たなる場所や時間での出会いを育み続けますが、本作品もやがて衰えて枯れ、最後にまた新たなる始まりを予感させる種となりました。
子供たちには環境に順応して逞しく育つ植物の基本的な特性を理解する機会となり、大人たちには生命についての時間や記憶の蓄積や成長することの意味、人と人との関係の連続性について思いを巡らせる場になり、そしてなにより強く意識する”今という一瞬”を視覚的に楽しめる作品となりました。